【韓ドラ】宮廷女官 チャングムの誓い

★燕山君〜明宗

16世紀初頭、とある村で元武官の父と元女官の母と幸せに暮らしていた少女チャングム。しかし時の王である燕山君が、生母ユン氏の死に関わった者への大粛清・甲子士禍を決行。それによって両親を失う。２年後、燕山君を失脚させるクーデター〝中宗反正〟に我知らず貢献したチャングムは、新王となった中宗から宮中入りを許される。宮中の食事を司る水刺間の女官見習いとなり、亡き母の夢であり遺言でもある〝最高尚宮〟を目指してひたむきに努力を重ねる。宮中を牛耳ろうと 目論むチェー族の陰謀で一度は追放されるものの、流刑地で医術を学び、医女となって宮中へ戻ることを決意。やがて、生き抜く術や復讐の手段ではなく、病に苦しむ人々を救う医師本来の役割に気づき、人間的に成長してゆく。 演出家イ・ビョンフンの名を日本に知らしめた韓流時代劇の金字塔。 『朝鮮王朝実録』の中宗実録に登場する、女性でありながら王の信頼厚い主治医となった、大長今の人生を、史実と創作を巧みに織り合わせて描き出す。チャングムはもちろん、好敵手クミョ ン、よき師匠のハン尚宮、天才的医女チャンドクなど、仕事に生きる女性たちが多数登場し、ドラマが躍動感に満ちている。 チャングムが宮廷料理人の頂点を目指す前半では、歴史考証に基づいた当時の食文化が詳細に描かれ、医女として頭角を現してゆく後半では薬草や鍍治療など現代にも通じる医療技術が紹介され、職業ドラマとしても秀逸。作劇の精巧さで芸術の域に達した作品だろう。