太祖
★朝鮮初代王
太祖(テジョ)/李成桂(イ ソンゲ)/이성계
【 定宗→】
☆生没年
1335年〜1408年
☆在位期間
1392年〜1398年 ※生前譲位
宗室→家系図
【父】
- 桓祖/李子春(イ ジャチュン)
【母】
- 懿恵王后崔氏(ウィへ ワンフ チェ氏)
【祖父】
- 度祖/李椿(イ チュン)
【曽祖父】
- 翼祖/李行里(イ へンリ)
【高祖父】
- 穆祖/李安社(イ アンサ)
【后】
- 神懿王后韓氏(シヌィ ワンフ ハン氏)
- 神徳王后康氏(シンドク ワンフ カン氏)
- 誠妃元氏(ソンビ ウォン氏)
- 貞慶宮主柳氏(チョンギョン グンジュ リュ氏)
- 和義翁主金氏(ファウィ オンジュ キム氏)
- 賛徳周氏(チャンドク ジュ氏)
【姉】
- 貞和公主(チョンファ コンジュ)
【兄】
【弟】
- 義安大君(ウィアン テグン)/李和(イ ファ)
【子】
▽神懿王后韓氏(6男2女)
- 鎮安大君(チナン テグン)/李芳雨(イ バンウ)
- 定宗/永安大君(ヨンアン テグン)/李芳果(イ バングァ)
- 益安大君(イクァン テグン)/李芳毅(イ バンウィ)
- 懐安大君(フェアン テグン)/李芳幹(イ バンガン)
- 太宗/靖安大君(チョンアン テグン)/李芳遠(イ バンウォン)
- 徳安大君(トクアン テグン)/李芳衍(イ バンヨン)
- 慶慎公主(キョンシン コンジュ)
- 慶善公主(キョンソン コンジュ)
▽神徳王后康氏(2男1女)
▽和義翁主金氏(1女)
- 淑愼翁主(スクシン オンジュ)
▽賛徳周氏(1女)
- 義寧翁主(ウィニョン オンジュ)
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◆高麗の武将・李成桂
太祖・李成桂は1335年、李子春の次男として生まれました。高麗27代王・忠粛王(チュンスク ワン)の重祚5年のことです。兄の李元桂が庶子だったため、嫡男として育ちました。武官だった父の影響もあり、幼い頃から武芸に長け、性格も勇猛だったそうです。
父の李子春は当時の反元政策に功績を挙げ、高麗31代王・恭愍王(コンミン ワン)から高官の位を賜っていました。父の後を継いだ李成桂は元に奪われた領土を奪還し、倭寇などの外敵を撃退するなどして名を上げていきました。
元に代わって明が興ると領土問題が再び起こります。明の一方的な主張に反発した高麗32代王・禑王(ウ ワン)は将軍の崔瑩(チェ ヨン)と共に遼東征伐に乗り出す計画を論じ始めました。これが1388年のことです。
一方で李成桂はこれに反対し、親明の立場をとっていました。しかし、朝廷は李成桂の主張を認めず遼東征伐の王命を下します。こうして出陣した李成桂ですが、威化島(イファ ド)付近で軍を引き返し、首都の開京(ケギョン)に戻りました。開京に戻った李成桂は、禑王、崔瑩を排除し、鄭道伝(チョン ドジョン)らとともに高麗の実権を一気に掌握します。その後、王を退かせ、ついに1392年、王位に上りつめました。
【威化島回軍と朝鮮の開国】
・遼東侵攻反対の4つの理由〝四不可論〟
⑴ 明との戦に勝ち目はない⑵ 農繁期に戦をするべきでない
⑶ 倭寇への対策が手薄になる
⑷ 伝染病が流行する時期である
倭寇の侵攻により荒廃していた高麗に勝ち目がないのは明白でしたが、禑王はこの無謀な出兵を強行しました。その裏には国の威信と李成桂勢力を削ぐ狙いがあったといわれています。
◆朝鮮王朝建国、初代王に
即位後、李成桂は明に使臣を送り新王朝の樹立と国号改定を知らせます。明がこれを承認すると、李成桂は官僚を集めて新国号の制定を開始しました。そのとき候補に上がったのが「朝鮮(チョソン)」と「和寧(ファリョン)」です。明が朝鮮を選ぶとここに新王朝が始まりました。
1394年には開京から漢陽(ハニャン)に遷都します。さらに、国を安定させるべく鄭道伝らは儒教中心の国家体制を作り始めました。
【漢陽遷都の裏側】
新王朝を開国した李成桂は旧勢力を排除するためにも高麗の首都・開京から遷都したいと考えていました。そうして風水論をもとに新都を漢陽に決定しました。
★相次ぐ後継者争い
李成桂には2人の夫人がいました。最初の夫人である神懿王后との間には6人、次の夫人である神徳王后の間には2人の王子が生まれました。
なかでも五男の芳遠は建国にも貢献し、後継者としては最有力候補でした。ところが李成桂は幼い八男の芳碩を世子(正式な後継者)に任命しようとします。理念の違いからたびたび芳遠と対立していた鄭道伝が後ろで糸を引いていたのです。
〝第一次王子の乱〟は芳遠が、芳碩や鄭道伝らを殺害した事件です。事件後、王位は次男の芳果に譲位されましたが、実権は芳遠が握っていました。
2年後に起こった〝第二次王子の乱〟は四男の芳幹が反乱を起こし、これを芳遠が鎮圧した事件です。この事件を見た芳果(定宗)は身の危険を感じ芳遠に王座を譲ることにしました。
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